2010年03月28日
新潮文庫「人間の建設」
小林秀雄氏と岡潔氏の対談集「人間の建設」を読みました。
(この対談は「新潮」昭和四十年十月号に掲載、「小林秀雄全作品」(新潮社版第六次全集)に収められている。)
小林秀雄、相変わらず面白くて凄い・・・毒舌。
いかに、妻など周辺の人は大変だったろうかと思ってしまう(こんなことを考えてしまう癖が私にはある)。
それはさておき、
数学は知性の世界だけに存在しうると考えてきたのですが、そうではないということが、ごく近頃わかったのですと述べる数学者 岡潔。
知性や意志は、感情を説得する力がないが、人は感情が納得しなければ、ほんとうには納得しない。
人には知情意と感覚がある。
知性のみではやる気になれない。
知がいかに説いたって、情は承知しない。
自他の別もないのに、親子の情というものがあり得る。
岡潔の言うところの情緒、共感しております。
氏の著作、読んでみたいです。
知のみでは、創造性や自主的に自制力を使う機会を奪い去るのだろうと思います。
混迷した現代における指針をいただいたように思います。
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人は「情」の温かさを求めるものですね。
>正しいかどうかよりも、それを語る人の人柄に
本当にそうですね。
人は情がないと駄目なのでしょう・・・。
私たちは、所詮、情意が支配する人間社会に
生きていますよね…
確かな知性に裏付けられた情意の世界に生き
たいと思う今日この頃です。
>確かな知性に裏付けられた情意の世界に生きたいと思う
本当ですね。言うは易く、行うは難しでしょうが・・・。