前回の続きです。
徳川美術館常設展では、約1ヶ月ごとに展示作品を替え、尾張藩主(大名)の公的生活の場であった名古屋城二之丸御殿を、部分的ながらも時代考証に基づいて、そのまま復元してあります。美術品とそれらが使われた空間との一体的な体系展示によって、美術品単体の美にとどまらず、日本の伝統美である「構成の美」あるいは「取り合わせの美」が鑑賞できます。
第1展示室 武家のシンボル -武具・刀剣-
第2展示室 大名の数寄 -茶の湯-
第3展示室 室礼 -書院飾り-
第4展示室 武家の式楽 -能-
第5展示室 大名の雅 -奥道具-
第6展示室 王朝の華 -源氏物語絵巻-
・・・
私が中でも印象に残ったのは、茶の湯と能です。
桃山時代に武将の間でも流行した「侘び茶の湯」は江戸時代には「数寄屋」の接待として公式行事の一部に組み入れらたそうです。
茶の湯の空間は、特別なものでいつも心が落ち着きます。
豊臣秀吉に切腹を命ぜられた千利休が、最期の茶会に用い、古田織部に与えた 竹茶杓 銘 泪 (なみだのちゃさく)が公開されており見ることが出来ました。
http://www.tokugawa-art-museum.jp/artifact/room2/01.html
どのような心持だったことでしょう。
織部はその後、この茶杓用に長方形の窓をあけた筒をつくり、その窓を通してこの茶杓を位牌代わりに拝んだそうです。
能楽といえば能舞台、そして能面と能装束ですね。
展示室には、名古屋城二の丸御殿内にあった表能舞台を忠実に再現した総檜造りの舞台がありました。
能面や能装束もいろいろ種類があってまだまだ勉強不足です。
能面のお話を以前同窓会で聞いたことがあったなあ、能装束にある絵柄を見るのも楽しいなあ、と思いながら見ていました。
また源氏物語絵巻があり、絵巻を入れておく棚があるのですね。また、硯箱の美しさに感嘆しながら常設展を後にしました。
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素晴らしい!
シリーズで詳しく教えて頂いて、ありがとうございます。
徳川美術館、行った事はないのですが、行ってみたくなりました。
かつての統治者というのは巨万の富があるので、いろいろと収集し、文化への支援を惜しまなかったのでしょうね。貴重な財産です。
とてもまとまりがなくて申し訳ありません。
ありがとうございます。
時代の変遷などもあり、所蔵や保存は苦労が多かったと思います。しかし、これからも貴重な財産を守り続けてていただきたいですね。
是非一度お運びください。