2015年01月25日
「明恵 夢を生きる」
河合隼雄著「明恵 夢を生きる」を読了しました。
以前より気になっていた著書で、私の中で巡り巡って到達したような心持ちです。
明恵は、鎌倉時代初期の華厳の名僧。
後鳥羽上皇より賜った京都 栂尾の高山寺を思う人も多いことであろう。
夢を覚えていて記録することは、誰にでも出来そうでいて、殊に継続するとなると大変難しい。
生涯にわたり自分自身の夢を書きとめた明恵は稀有なことである。本書はその記録「夢記」を説いてゆく。
明恵が生きた時代は、「平家から源氏へ、源氏から北条氏へとあわただしく権力の座が移り、その間にあって、法然、親鸞(明恵と親鸞は同じ年に生まれたことは興味深い)、道元、日蓮などが現れ、日本人の霊性がきわまりなく活性化された時代」
他の僧のように「新しい」宗派を起こすこともなかったが、彼の思想は北条泰時が制定した「貞永式目」に生きている。
仏眼仏母像と文中に出てきて、昨年手にした「国宝 鳥獣戯画と高山寺」の図録を開いたり、
法華経の提婆達多品(ダイバダッタボン)とあれば「平家納経」の書籍を開いたりしていました。
河合隼雄氏の作品を読むといつも思うのですが、思想や宗教(その先に文化や技術がある)を洋の東西で比較していて興味深いです。母性と父性に関しては、不勉強です・・・・。
仏教に関してはこちらも不勉強なこともあり、明恵の説く華厳の教えなどは難解ですが、何かの糸口になるような気がしてなりません。
この記事へのトラックバック
プリュムの正夢シリーズみたいなものでしょうか
内容は難解とか・・・
夢を記録する人はいるでしょうが
昔の人の記録が残されているのは稀でしょうね
時々書かれていますね。
私は、夢日記なるものをつけていた時期がありましたがもうすっかりやめました。
夢のこと(精神分析学)と、時代背景(仏教や歴史)の両方を理解するのは大変です。でも必要です。