2020年05月31日
日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんぽうぜんなくりょういき)
以前より、読みたかった「日本霊異記」を読み始めています。
読もうと思ったきっかけは?
河合隼雄氏の著書で、本書のことに触れていたから。これを読むとその時代にことの善悪をどのように考えてたのかなど、わかるのかな、と思ったため。
記事名は、本書のフルネーム。
日本霊異記(にほんりょういき)は、南都薬師寺の僧、景戒(きょうかい)の著で日本最古の仏教説話。
およそ五世紀から八世紀の末期までの説話であると見て良い。
原文は漢文で、読み込む能力と時間を思うと私には無理と早々に結論づける、いや本業忘れて違う世界を漂うのも良くないので。ちなみに原文を読みたきゃ、家にある岩波書店の「日本古典文学大系」(現在は絶版、新日本古典文学大系がある)を見れば良い。
考えた末?、講談社学術文庫 中田祝夫氏 全訳注 を手にした。
はしがきには
景戒はまた、因果応報の厳存することを世の人々に自覚させ、人々に警告し、人々を善導したいと熱心に考えていたに違いない
とある。
本書は、書き改められた訓み下し文(原文はなし)、現代語訳、語釈、解説 が書かれている。
なんと、わかりやすいことか。そして、氏の労苦が想像される。
一話一話が、実は凄く深い。
自分の能力に応じて訓み下し文を味わうことも出来る。
新しい世界が広がっています!
楽しいです!
ゆっくり楽しみます。寝る前に読むパターンが多いかも。
ちなみに、狐を妻(め)として子を生ましめし縁 は、仏教説話ではないが、三乃国(美濃国)の説話で大河ドラマでも出てきましたね、美濃の狐の話(駒、牧、帰蝶 3人で話す)
まあ、中国にも狐の話は多いですが。
ということで、折に触れてまた記事にすると思います。
追伸
感染症の影響で、講演などはほぼオンライン化されていると感じる今日この頃です。
私も聊斎志異のことは、頭に浮かびました。
でも、霊異記はもっと真面目?だと思います。
景戒は真摯な仏教の伝達者で、因果応報を真剣に信じていたらしいです。
日本の昔話の原型も見えますね。
それだけ、乱世だったとも言えるのでしょう。
宗教は、生きる指針なのかな・・・とも思いつつ。
是非、手に取って下さいませ。